財務・業績情報

決算概況・2025年3月期 決算概況

詳細は「2025年3月期 決算短信」をご覧ください。

  • 連結

連結経営成績 (%表示は対前期増減率)

(百万円) 2024年3月期 2025年3月期 増減率 (%)
売上高 141,923 140,581 △0.9
営業利益 11,827 15,295 29.3
経常利益 12,947 16,462 27.1
親会社株主に帰属する当期純利益 11,695 11,158 △4.6

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連結貸借対照表(要約)

(百万円) 2024年3月期
(2024年3月31日)
2025年3月期
(2025年3月31日)
増減額
資産の部
流動資産合計 64,848 69,841 4,992
固定資産合計 33,543 29,112 △4,430
資産合計 98,392 98,953 561
負債の部
流動負債合計 30,622 26,770 △3,852
固定負債合計 11,775 15,935 4,160
負債合計 42,398 42,706 307
純資産の部
純資産合計 55,993 56,247 254
負債純資産合計 98,392 98,953 561

連結キャッシュ・フロー計算書(要約)

(百万円) 2024年3月期 2025年3月期 増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー 5,563 7,779 2,215
投資活動によるキャッシュ・フロー △4,101 1,100 5,202
財務活動によるキャッシュ・フロー △3,145 △13,520 △10,374
現金及び現金同等物に係る換算差額 0 △18 △19
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) △1,683 △4,660 △2,976
現金及び現金同等物の期首残高 36,497 34,814 △1,683
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 - 700 700
現金及び現金同等物の期末残高 34,814 30,854 △3,959

経営成績等の概況

1.経営成績の概況

当連結会計年度における世界経済は、主要国における金融引き締め政策の影響が徐々に和らぎ、全体として回復に向けた動きが見られました。我が国経済においては、物価上昇はあるものの個人消費の回復や企業の設備投資の増加に加え、インバウンド需要を取り込んだ観光・エンタテインメント産業の活性化がみられました。特にアニメや映画、ゲームに代表される日本のコンテンツ産業は、革新的な技術とクリエイティビティによって世界中から高い評価を受けています。
このような環境下、当社グループは「すべての人に最高の余暇を」という企業理念のもと、持続的成長と長期的な企業価値創出の実現に向けた歩みを着実に進めました。
コンテンツ&デジタル事業では、2024年5月に発表した「5ヵ年中期経営計画」における初年度のミッションを遂行しました。また、グローバルECの加速に向けて準備を進めてきたアリババジャパンとの業務提携が大筋合意しました。
アミューズメント機器事業では、有力IPを搭載した遊技機が市場で好評を博し、当期の業績を牽引しました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高140,581百万円(前期比0.9%減)、営業利益15,295百万円(同29.3%増)、経常利益16,462百万円(同27.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,158百万円(同4.6%減)となりました。

※正式名称「アリババ株式会社」
※従来の「PS事業」、当期より改称

各事業セグメントの概況は以下の通りです。

コンテンツ&デジタル事業セグメント
(株)円谷プロダクションは、2024年5月に発表した「5ヵ年中期経営計画」における初年度のミッションとして、当期は海外拠点の構築とそれによる新たな流通の開拓、事業推進の中核を担う人材の強化に取り組みました。
当期におけるライセンス、MD(物販)、映像・イベント収入の合計は11,165百万円(前期比13.5%増)となりました。カテゴリ別の内訳は以下の通りです。

<ライセンス収入:6,836百万円(前期比11.6%増)>

短信表

中国において、ブロック玩具、低価格帯玩具、文具、アパレル、日用生活雑貨等の販売が好調に推移し、ライセンス収入の増加を牽引しました。


<MD(物販)収入:1,395百万円(前期比211.5%増)>

短信表

従来の自社企画商品に加え、新たに『ウルトラマン カードゲーム』を下半期に2回グローバルに商品展開したことにより、MD(物販)収入が増加しました。『ウルトラマン カードゲーム』は今後四半期毎に新商品を投入して参ります。


<映像・イベント収入:2,933百万円(前期比10.1%減)>

短信表

前期に開催されたファン向け大型イベント『ツブラヤコンベンション』関連収入の反動減により、当期の映像・イベント収入は減少しました。

(株)デジタル・フロンティアは、最先端テクノロジーを活かした映像制作を武器にNetflix作品『シティーハンター』等におけるVFX制作の他、大型アニメ映画やゲームソフト用オープニングムービー制作の受託開発が順調に推移しました。

以上の結果、当連結会計年度におけるコンテン&デジタル事業セグメントの売上高は16,410百万円(前期比7.0%増)となりました。費用面ではカードゲーム事業の立ち上げに伴うTVCM等の一時的な費用に約10億円を投じたことに加え、海外拠点の構築、商品開発や流通網強化のための人材確保等に取り組みました。この結果、営業利益は2,835百万円(同25.0%減)となりました。


アミューズメント機器事業セグメント
当事業セグメントでは、当期よりパーラー向け機器設置工事のリーディングカンパニーである(株)エース電研が当社グループに加わり、フィールズ(株)による遊技機販売のみならず周辺設備機器・工事等の新たな事業領域へとサービスの幅を拡げ、業界の発展に一層貢献するアミューズメント機器事業としての経営基盤を確立しました。

当期におきましては、上半期に新紙幣発行対応でパーラーの新台購買力が下期に集中することを予測し、フィールズ(株)では下半期に有力商品を投入しました。この結果、『L 東京喰種』をはじめとする有力IPを搭載した複数のパチスロ機が市場で高い評価を獲得し、利益に大きく貢献しました。また、(株)エース電研の業績も好調に推移したことから、期初に計画していたラインナップのうち複数機種の販売を翌第1四半期に持ち越し、ブラッシュアップを行いました。これにより、売上高は計画に対し減少したものの、営業利益は計画を上回りました。なお、翌第1四半期に持ち越した遊技機はすべての販売を計画通り終了しています。

以上の結果、当連結会計年度におけるアミューズメント機器事業セグメントの売上高は123,092百万円(前期比2.0%減)、営業利益は15,277百万円(同46.7%増)となりました。

[遊技機販売台数及び主な販売タイトル]

短信表

短信表

その他事業
その他事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,682百万円、営業利益5百万円となりました。



2.次期(2026年3月期)の見通し

コンテンツ&デジタル事業セグメント
コンテンツ&デジタル事業においては、IPを軸としたグローバルビジネスの確立と大きな利益成長を果たすべく、5ヵ年中期経営計画の2期目にあたるミッションを確実に遂行して参ります。
ウルトラマンシリーズは、1966年にテレビ放送を開始して以来、日本のエンタテインメントを代表する特撮作品の一つとして世界中の人々に親しまれており、2026年には放送開始から60年の節目を迎えることとなります。この記念すべき年を迎える中、次期を重要な成長フェーズと位置付け、中国はじめアジア地域、北米等、グローバルの国と地域での様々な商品展開および流通の拡充に一層注力して参ります。

<ライセンス収入>
中国において、玩具、文具、アパレル、日用生活雑貨等を中心に引き続き魅力的なウルトラマングッズの商品を供給して参ります。さらに、その成功モデルを周辺のアジア地域にも展開しながら、現地パートナーと流通網の拡充を通じた事業成長に取り組んで参ります。
国内では、ウルトラマンシリーズ60周年を核とした有力ライセンシー等との協業や企業広告等のコラボレーションを強化・拡大して参ります。

<MD(物販)収入>
EC関連では、先述の通りアリババジャパンとの業務提携が大筋合意しました。現在、2025年6月末にTmall国際でのフラッグシップ店舗のオープンを予定しており、7月10日「ウルトラマンの日」(日本記念日協会登録)より、今回の出店に向けて特別に開発されたシリーズのなかでも国内外で人気の高い「ウルトラマンティガ」のオリジナルフィギュアの予約販売を開始、世界中のファンに向けて、新たなコレクションをお届けして参ります。さらに、今後3年間で商品ラインナップを段階的に拡充し、約500商品規模の展開を目指して参ります。
さらに、中国現地の旅行予約プラットフォームや、訪日旅行者向け決済サービス等の大手パートナーのインフラを活用し、今後は訪日外国人(インバウンド)需要の取り込みに向けた取り組みについても協議を進めて参ります。これにより、日本国内の人気イベントやコンテンツと、旅行・購買行動を結びつける“旅前・旅中・旅後”の体験設計を構築し、より多くのファンに向けた新たな価値を提供致します。
カードゲーム事業では、『ウルトラマン カードゲーム』のSNS等を活用したプロモーションに取り組み、新商品のグローバルでの販売強化に繋げて参ります。

<映像・イベント収入>
グローバルの多地域に映像作品を展開して参ります。北米では、『Amazon Prime Video』をはじめ現地の有力な配信プラットフォーム事業者とのパートナーシップを通じて、映像コンテンツの配信・放送ネットワークを大幅に拡充します。併せて、アジアを中心にライブショー・イベントを拡充して参ります。
イベントでは、本年9月に『ツブラヤコンベンション』の開催を予定しています。

以上の結果、コンテンツ&デジタル事業セグメントの業績は売上高19,000百万円(前期比15.8%増)、営業利益3,200百万円(同12.9%増)を計画しています。


アミューズメント機器事業セグメント
アミューズメント機器事業では、エース電研を含めた3ヵ年事業計画を策定致しました。フィールズにおいては、魅力的な遊技機を年間各12機種販売するための取り組みを実施して参ります。エース電研においては、フィールズとの営業連携による売り上げシェアの拡大とコスト最適化を計画しています。
なお、3ヵ年事業計画の概要は、2025年5月14日中にホームページ上で公表する予定です。

次期のアミューズメント機器事業セグメントの業績は、売上高130,000百万円(前期比5.6%増)、営業利益15,600百万円(同2.1%増)を計画しています。遊技機販売では、約25万台の販売を見込んでおります。既に第1四半期においてメインタイトルとしてパチンコ2機種、パチスロ3機種を販売し、いずれも完売しています。また、前期販売した複数機種の増産にも継続して対応して参ります。

各事業セグメントにおけるミッションを確実に遂行・達成するため、経営体制についても財務とガバナンスの両面から強化を図って参ります。
財務面では、財務体質の健全化のバランスを確保しながら、創出する営業キャッシュ・フローを主に各事業領域でのIPの多面的な活用等の戦略的な成長投資と株主の皆様に報いる株主還元に最適配分し、資本効率の向上を目指して参ります。
ガバナンス面では、グループ企業価値の最大化を図るべく、グローバルスタンダードに則ったガバナンス体制の整備・強化を進めて参ります。取締役会の諮問機関として、既にグループ指名・報酬委員会ならびにグループサステナビリティ委員会を設置しており、次期には監査等委員会設置会社へ移行致します。これらは「監督と執行の分離」の観点から、当社事業ならびに社会の持続可能性に資するリスクマネジメント、機会の発見に係る取り組みを体系化する役割を担っています。これら経営基盤の強化を通じて、中長期的な企業価値の創出に向けた取り組みを深化させて参ります。

以上を踏まえ、次期の連結業績は、売上高150,000百万円(前期比6.7%増)、営業利益は16,000百万円(同4.6%増)、経常利益は16,100百万円(同2.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,200百万円(同0.4%増)を計画しています。



3.利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当

当社は企業価値の向上を経営の重要課題と位置付け、利益に応じた適正な配当を行うことを基本方針としています。
グローバルコンテンツビジネスを展開する当社グループにおいては、事業成長に向けた継続投資が不可欠であると認識しています。着実な事業成長と増益を実現し、事業投資とのバランスを考慮しつつ、配当等の株主還元を実施して参ります。
当期の配当につきましては、期末配当を期初計画から1株あたり10円増配し50円と致します。なお、本件は2025年6月18日に開催予定の第37回定時株主総会に付議する予定です。
また、次期の配当予想につきましては、期末配当を1株につき50円と予定しています。

(注1)記載の数値は各社・各団体の公表値または当社推計によるものです。
(注2)記載の商品名は各社の商標または登録商標です。

4.当期の財政状態の概況

  • 資産
    流動資産は、69,841百万円と前連結会計年度末比4,992百万円の増加となりました。これは主に仕掛品の増加によるものです。
    有形固定資産は、10,230百万円と前連結会計年度末比1,089百万円の増加となりました。これは主に工具、器具及び備品の増加および土地の増加によるものです。
    無形固定資産は、2,116百万円と前連結会計年度末比286百万円の減少となりました。これは主にのれんの減少によるものです。
    投資その他の資産は、16,765百万円と前連結会計年度末比5,233百万円の減少となりました。これは主に投資有価証券の減少によるものです。
    以上の結果、資産の部は98,953百万円と前連結会計年度末比561百万円の増加となりました。
  • 負債
    流動負債は、26,770百万円と前連結会計年度末比3,852百万円の減少となりました。これは主に仕入債務の増加および短期借入金の減少によるものです。
    固定負債は、15,935百万円と前連結会計年度末比4,160百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の増加によるものです。
    以上の結果、負債の部は42,706百万円と前連結会計年度末比307百万円の増加となりました。
  • 純資産
    純資産の部は、56,247百万円と前連結会計年度末比254百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加および非支配株主持分の減少によるものです。

5.当期のキャッシュ・フローの概況

  • 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,959百万円減少し、30,854百万円となりました。
    当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
  • 営業活動によるキャッシュ・フロー
    営業活動の結果得られた資金は、7,779百万円(前年同期は5,563百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益16,252百万円、棚卸資産の増加5,679百万円、法人税等の支払額4,542百万円、売上債権の増加3,050百万円、仕入債務の増加1,704百万円、減価償却費1,180百万円によるものです。
  • 投資活動によるキャッシュ・フロー
    投資活動の結果得られた資金は、1,100百万円(前年同期は4,101百万円の支出)となりました。これは主に持分法適用関連会社株式売却による収入2,416百万円、固定資産の取得による支出1,390百万円、貸付けによる支出388百万円によるものです。
  • 財務活動によるキャッシュ・フロー
    財務活動の結果使用した資金は、13,520百万円(前年同期は3,145百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の取得による支出6,310百万円、長期借入れによる収入6,280百万円、短期借入金の減少額5,100百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出3,037百万円、長期借入金の返済による支出2,961百万円、配当金の支払額2,615百万円によるものです。