グループ成長戦略(中期経営計画)

中期経営計画

当社グループは、2024年5月に「コンテンツ&デジタル事業セグメント 5ヵ年 新・中期経営計画(2025/3期-2029/3期)」を、2025年5月に「アミューズメント機器事業セグメント 3ヵ年事業計画 (2026/3期-2028/3期)」を発表し、それぞれが計画達成に向け事業を推進しています。

※2025年3月期連結会計期間より、従来「PS事業」としていたセグメント名称を「アミューズメント機器事業」に変更しています。

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コンテンツ&デジタル事業セグメント 5ヵ年 新・中期経営計画(2025/3期-2029/3期)

(2024年5月公表)

過去の振り返り


図:ウルトラマンゼロ

コンテンツ&デジタル事業セグメントの営業利益計画及び実績は図表の通りである。
過去の振り返りとして、2022年3月期の同事業セグメントの営業利益は14.6億円となり、当時の過去最高益を記録した。
これを受け、グローバル展開を加速させるための「2022年中期経営計画」を発表、3ヵ年の営業利益計画を発表した(図表内①)。初年度は20億円を計画していたが、とくに中国のMDライセンス事業が伸長したことにより43.7億円の実績となった(図表内②)。
中計初年度から計画を大きく上回る着地となったことを受け、2024年以降の新しい中期経営計画を策定、3ヵ年の営業利益計画を発表した(図表内③)。
結果として、2024年3月期は一時的な既存カードの在庫調整や積極投資を行った結果、営業利益は計画60億円に対し38億円で着地した(図表内④)。
当社はこの結果を真摯に受け止め、今後の改善点を明確にして新たな成長ステージに向かうプランを発表させていただく。



5ヵ年 新・中期経営計画の概要


図:ウルトラマンゼロ

前期(2024年3月期)及び当期(2025年3月期)は認知度、好感度を高める徹底的なブランディング期間と位置付け、成長に向けた地固めを行う。
2026年3月期からは攻めの成長フェーズに入りたいと考えている。 その後、様々なコンテンツを軸にグローバルで躍動する事業体を目指していく



円谷プロダクションの成長可能性とBtoBビジネスの安定的成長と新しいビジネスモデルへの変化・成長の過程


図:ウルトラマンゼロ

図:ウルトラマンゼロ

円谷プロダクションの成長を支える大きな要因として、1つ目には継続した作品展開による着実なファン層の拡大が挙げられる。国内においては3世代のファンに親しまれており、また、海外、特に中国、アジアでは、10年以上に亘るテレビシリーズ等の作品展開が実を結び、「ウルトラマンティガ」をはじめ人気作品を視聴して育った 30代の親世代とその子ども世代を中心とする、非常に強いファン層が形成されている。
2つ目に、円谷プロは事業モデルの変革に取り組んでおり、BtoBビジネスの安定成長モデルに加えて新しいビジネスモデルへと変化・成長する過程にある。BtoBビジネス(ロイヤリティ収入・ライセンスビジネス収入中心)のみならず、グローバル展開していく上でのビジネスとしてBtoBtoCやD2Cビジネスを強化している。現在は商品企画開発の強化、国内のさらなる展開と海外の横展開、商品展開と連動したマーケティングに取り組んでいる最中である。



5ヵ年 新・中期経営計画の達成に向けた基本戦略


図:ウルトラマンゼロ

各流通パートナーもしくは直接ファンに届けるための流通網の整備・拡大を推進している。また、商品展開と連動したCRMを活用したマーケティングにより、さらにIP価値向上とコミュニティの育成を行っている。我々が対象としているグローバルマーケットに対しての継続的な作品展開を通じファンを拡大していくための①)ライブ・イベント、②)商品企画開発、③)流通網の整備・拡大という流れを現在構築しているところである。



円谷プロダクションの戦略(①ライブ・イベント)


図:ウルトラマンゼロ

過去のライブ・イベント事業は国内のみで実施しており、非常に低収益な事業だった。コロナ禍ではイベント動員数が年間10万人程度と非常に厳しい状況となった。しかし、その後は取り組み方を変え、様々な施策を行うことで70万人規模まで集客を増加、これに伴うチケット販売と物販が非常に好調で、順調に拡大している。成長余地は十分にあると見ており、夏の大型イベントの開催地域も従来の東京開催に加え、今年から新たに大阪でも開催する予定である。また、海外でも同様のノウハウを活用した横展開の拡大を図っている。



円谷プロダクションの戦略(②MD/ライセンス)


図:ウルトラマンゼロ

ライセンスビジネスに加え、商品企画開発の強化を行っている。ライブ・イベントの拡大により、会場で自社企画開発の商品を直接ファンの皆様にお届けすることが可能となっている。商品企画開発を強化する上での伸び代は十分にあり、国内でのさらなる展開と海外への横展開が期待される状況である。2021年時点では15億円だったMDライセンスの売上が、前期は64億円、今後は100億円を超える計画となっている。



商品企画開発の例


図:ウルトラマンゼロ

イベント連動商品の事例としては、イベントに来場するお客様が必ずといっていいほどご購入される商品となっているカラータイマーが挙げられる。このほか、ツブラヤストアという我々が独自展開しているeコマースサイトにおいて、予約受注販売による限定商品やコラボレーション商品等、様々な商品を展開している。まだ着手できていない商品カテゴリー、パターンがあるため、今後拡大していく予定である。



円谷プロダクションの戦略(③流通網の整備・拡大)


図:ウルトラマンゼロ

2021年度に国内リテール組織を創設し、新たに一般販路の拡大にも取り組んでいる。国内では自社サイトである「ツブラヤストアONLINE」を立ち上げた。また、大手小売店と連携したファン拡大施策を企画し、各ライセンシーにもご協力をいただきながら展開することで売り場を広げていく活動もスタートしている。今後は、海外でも北米とシンガポール、2か所の拠点を中心に流通網の整備・拡大に取り組んでいく。



円谷プロを中核としたグローバルビジネス企業群


図:ウルトラマンゼロ

円谷プロダクションを中核に、北米拠点の「Tsuburaya Fields Media & Pictures Entertainment, Inc.」、シンガポールの「Tsuburaya Fields Entertainment International Pte. Ltd.」、そしてグループ会社のデジタル・フロンティアが連携してグローバルビジネスに取り組んでいく。



円谷プロを中核としたグローバルビジネス企業群の売上高成長(内訳)


図:ウルトラマンゼロ

グローバルビジネス企業群の売上高成長については、映像作品展開によるイベント等の収入とそれに関連するMD/ライセンス収入がベースラインでしっかりと伸長してきている。今後もカードゲームはじめ新たな商品群の展開とともに、各商品カテゴリーをしっかりと成長させていく。



本中計期間における成長投資(計画)


図:ウルトラマンゼロ

本中計期間は更なる成長に向け、新規事業・IP育成投資や構造改革等に必要な投資を行っていく。来期(2025年3月期)はカードゲームはじめ新たな商品群の展開に合わせたグローバルプロモーションに注力し、今後も一定額を投じていく。また、映像製作投資や構造改革に伴う人材獲得・育成や海外拠点の強化にも力を入れていく。



本中計期間における販売費及び一般管理費の推移


図:ウルトラマンゼロ

広告宣伝費については、当期実績は3.7億円だが、来期(2025年3月期)は徹底的なブランディングのため10億円以上かけた積極投資を行っていく。
これにより、広範なターゲットの認知獲得等ブランディングを行い、新たな展開につなげていく。それ以外の固定費については、売上高成長率より低い水準で維持する方針である。



デジタル・フロンティアの成長に向けた構造改革


図:ウルトラマンゼロ

デジタル・フロンティアでは、従来行っていた国内のVFX制作やゲーム関連の受託開発に加えて、北米等の新市場を開拓し、グローバルでビジネスを展開していく成長戦略の下、構造改革に取り組んでいく。
将来的には売上高100億円規模に達し、日本から世界を代表するコンテンツ制作のリーディングカンパニーとなることを目指す。



コンテンツ&デジタル事業セグメント 営業利益目標


図:ウルトラマンゼロ

コンテンツ&デジタル事業セグメントの営業利益目標は図表の通りである。来期(2025年3月期)はグローバルでの更なる展開に向けた積極投資も考慮して40億円計画としている。来期までの徹底的なブランディングを経て、2026年3月期以降は攻めのフェーズに移行し、2028年3月期には100億円を計画している。



アミューズメント機器事業セグメント 3ヵ年事業計画

(2025年5月公表)

アミューズメント機器事業(市場環境)


図:ウルトラマンゼロ

アミューズメント機器事業を取り巻く環境は、2018年の規則改正以降、スマートパチスロの登場を機に市場全体は夏へと向かっており、スマート機の普及加速に向け内規も緩和傾向となっている。



アミューズメント機器事業の取り組み概要 (2026年3月期-2028年3月期)


図:ウルトラマンゼロ

① 遊技機販売 (魅力的な遊技機を年間パチンコ12機種、パチスロ12機種販売する)
《IP取得》
出資等を通じたコンテンツホルダーとの関係強化により、有力IPを取得し魅力的な遊技機を継続的に開発・販売していく。
《パチスロ》
既に年間12機種の販売に向けた体制が確立されており、今後はPBについても3年後までに4機種開発可能な体制の確立を目指していく。
《パチンコ》
現在8~9機種の販売を3年後には12機種とするべく体制を強化し、PBも現在1機種の販売から3年後までに2~3機種が開発可能な体制の確立を目指していく。

② エース電研の周辺設備機器・工事等
営業力の強化: フィールズとの営業連携により、新規案件・顧客開拓が可能な強固な営業体制を構築する。
経営効率の向上: 営業拠点統合、生産・物流拠点統合によるコスト最適化と利益率向上に取り組む。
パーラーのオートメーション化に資する最適な周辺機器の開発・販売・設置に取り組んでいく。

③ 新たな収益事業の取り組み
ダイコク電機との協業による取り組みを加速させ3年間で新たな事業を形作っていく。



遊技機販売(有力IPを活用した高品質な商品を継続的かつ安定的に開発・販売)


図:ウルトラマンゼロ

当社を代表するヒットシリーズ「エヴァンゲリオン」に続く新たな有力IP「東京喰種」を搭載したパチンコ・パチスロが共に大ヒット。
今後も有力IPの取得および開発・販売体制をより一層強化することで、高品質な商品を継続的に開発・販売していく。



アミューズメント機器事業(営業利益計画)


図:ウルトラマンゼロ

アミューズメント機器事業セグメントの3ヵ年営業利益計画は図表の通りである。
最終年度の2028年3月期には185億円の営業利益を計画している。